電気系大学生の自習室

節点電位法

基準節点を0 Vとし、他の節点電圧を未知数としてKCLを立てる。複数枝のある回路を体系的に解ける。

現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?

未知量を節点電位に選ぶと、各枝の電流は隣接する節点との電位差から書けます。未知電位の個数が少ない場合に節点電位法が便利です。

回路の節点では、電荷がたまり続けない定常状態なら流入電流の合計と流出電流の合計が等しくなります。未知の節点電位を決めれば、各抵抗枝の電流を電位差から表せます。

電流の向きは計算するために仮定します。結果が負になったら逆向きに流れていたという意味で、計算をやり直す必要はありません。

現象を表す公式・定義

∑kVA−VkRk=0\displaystyle \sum_k\frac{V_A-V_k}{R_k}=0

この公式を使えるのはどんなとき?

直流定常の抵抗回路で、節点Aが抵抗を通じて既知電位Vkへつながるとき。

何を代入し、どう使う?

VAは未知電位[V]、Rkは各抵抗[Ω]。各枝電流を『節点Aから外向き正』で(VA−Vk)/Rkと書き、全枝を加えて0と置きます。

使えない条件・検算のポイント

節点間に理想電圧源がある場合はスーパー・ノードも検討します。解を代入して枝電流の和が0か確認します。

現象を図で理解する

A10 V5 V0 VR1 = 2 kΩR3 = 3 kΩR2 = 1 kΩ
未知の節点電位VAを中心に電流の向きを決める

模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。

式が成り立つ理由・導出の流れ

適用条件:直流定常、理想電圧源に接続された抵抗3枝。基準節点0 V。各電流は節点Aから外へ流れる方向を正とする。

冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。

代表的な計算式

∑Vnode−VadjR=0\displaystyle \sum\frac{V_{\mathrm{node}}-V_{\mathrm{adj}}}{R}=0

よくあるミス・検算の観点

  • 電流の向きを先に決め、負の値が出ても勝手に符号を反転しない。
  • kΩで割った V の数値は mA になる。
  • 節点Aに加えて基準点(0 V)を必ず宣言する。

単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。

例題1(基本)|何を求めるかから始める

A10 V5 V0 VR1 = 2 kΩR3 = 3 kΩR2 = 1 kΩVA = 40/11 ≈ 3.64 V
2kΩ・1kΩ・3kΩの3枝で具体的に計算する
なぜその法則を使う? 計算の順序と検算
  1. 求める量は節点Aの電位 VA。抵抗2 kΩを通じ10 V、1 kΩを通じ0 V、3 kΩを通じ5 Vにつながっている。
  2. 各枝のAから外向き電流を (VA−10)/2、VA/1、(VA−5)/3 [mA] と定義。
  3. 電荷保存より節点Aで電流和=0。KCL: (VA−10)/2+VA+(VA−5)/3=0。
  4. 両辺を6倍すると 3VA−30+6VA+2VA−10=0、したがって 11VA=40。
  5. VA=40/11≈3.636 V。枝電流は−3.182 mA、3.636 mA、−0.455 mA。和が0になることを検算。

例題2(標準)|Aが10 Vへ2 kΩ、0 Vへ1 kΩ、5 Vへ3 kΩにつながる。VAを求めよ。

  1. (VA−10)/2+VA+(VA−5)/3=0 [mA]。
  2. VA=40/11≈3.636 V。

演習問題(基本・標準・発展)

基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。

A10 V5 V0 VR1 = 2 kΩR3 = 3 kΩR2 = 1 kΩΣ (VA−V隣接)/R = 0
求めた電位を使い枝電流の和が0か確認する
基本 1

節点へ2 mAと3 mAが流入するとき、出ていく電流は。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題1の考え方を整理する図。実際の数値・条件:節点へ2 mAと3 mAが流入するとき、出ていく電流は。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. KCLより流入合計=流出合計。
  2. 流出は5 mA。
基本 2

10 Vと0 Vを2 kΩ・1 kΩでつなぐ中点の電位は。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題2の考え方を整理する図。実際の数値・条件:10 Vと0 Vを2 kΩ・1 kΩでつなぐ中点の電位は。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 中点電位をVAとすると (VA−10)/2+VA/1=0 [mA]。
  2. 3VA=10よりVA=10/3≈3.33 V。
基本 3

A=3 V、B=9 V、R=3 kΩ。AからBへの電流は。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題3の考え方を整理する図。実際の数値・条件:A=3 V、B=9 V、R=3 kΩ。AからBへの電流は。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. (3−9)/3=−2 mA。
  2. 負なので実際はB→Aに2 mA流れる。
標準 4

Aが10 Vへ2 kΩ、0 Vへ1 kΩ、5 Vへ3 kΩにつながる。VAを求めよ。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題4の考え方を整理する図。実際の数値・条件:Aが10 Vへ2 kΩ、0 Vへ1 kΩ、5 Vへ3 kΩにつながる。VAを求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. (VA−10)/2+VA+(VA−5)/3=0 [mA]。
  2. VA=40/11≈3.636 V。
標準 5

前問の節点Aで各枝電流を求め、KCLを数値検証せよ。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題5の考え方を整理する図。実際の数値・条件:前問の節点Aで各枝電流を求め、KCLを数値検証せよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 外向き方向に−35/11 mA、40/11 mA、−5/11 mA。
  2. 和は0。負の電流は実際には節点Aへ流入する。
発展 6

Aが10 Vと1 kΩ、GNDと2 kΩでつながり、外向きに1 mAの電流源がある。VAは。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題6の考え方を整理する図。実際の数値・条件:Aが10 Vと1 kΩ、GNDと2 kΩでつながり、外向きに1 mAの電流源がある。VAは。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. (VA−10)/1+VA/2+1=0 [mA]。
  2. 1.5VA=9よりVA=6 V。
発展 7

なぜKCLでは「選んだ正方向」の電流が負になる場合があるのか。

VAR1R3R2V1V3基準点
問題7の考え方を整理する図。実際の数値・条件:なぜKCLでは「選んだ正方向」の電流が負になる場合があるのか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 正方向は立式のための仮定であり、実際の向きを保証しない。
  2. 負の解は逆向きに流れることを意味し、KCLの誤りではない。

問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。

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未完了

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