電気系大学生の自習室

オームの法則と抵抗合成

線形抵抗ではV=RI。直列では電流が同じなので抵抗値を足し、並列では電圧が同じなのでコンダクタンスを足す。

現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?

抵抗の直列接続では、回路に分岐がないためすべての抵抗を同じ電流が流れます。各抵抗の電圧降下を加えると全体の電圧になるため、抵抗値そのものを加算できます。一方、並列接続では両端の節点が共通で電圧が同じなので、枝電流を加算します。

二つの抵抗を分岐のない道へ順番に並べると、どちらにも同じ電流が流れます。電源から見れば抵抗で生じる電圧降下が加算されるため、二つの抵抗を一つにまとめた値はR₁+R₂になります。

並列では各枝の両端が同じ節点につながり、電圧が等しくなります。枝に流れる電流が加算されるため、抵抗そのものではなく『電流の流れやすさ』を示すコンダクタンス1/Rを合計します。

現象を表す公式・定義

Rseries=R1+R2,Rparallel=(1R1+1R2)−1\displaystyle R_{\rm series}=R_1+R_2,\qquad R_{\rm parallel}=\left(\frac1{R_1}+\frac1{R_2}\right)^{-1}

この公式を使えるのはどんなとき?

一定の正の抵抗値をもつ線形抵抗の直流回路で、素子同士が本当に直列または並列につながっている場合。直列は電流共通、並列は電圧共通が判断基準です。

何を代入し、どう使う?

まず節点を調べて接続を判定します。2Ωと3Ωの直列は5Ω、並列なら1/(1/2+1/3)=1.2Ωです。混合回路は内側の並列部分からまとめ、オームの法則V=RIに代入します。

使えない条件・検算のポイント

見た目が横並びでも間の節点に別の枝があれば直列ではありません。並列接続の合成抵抗は最小の枝抵抗より小さくなるので、値が大きく出たら逆数の扱いを見直します。

現象を図で理解する

R₁R₂電流 I は共通
直列は分岐がないので電流が同じ。合成抵抗はR₁+R₂。
6 ΩR₂

模式図は理解を助けるための相対表示です。実際のSI単位の値や境界条件は式・例題で確認してください。

模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。

式が成り立つ理由・導出の流れ

適用条件:理想的な線形抵抗R>0で、オームの法則V=RIが成り立つ直流定常回路。接続関係は配線の見た目でなく、端子が属する節点に基づいて判定する。

冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。

代表的な計算式

Rseries=∑iRi,1Rparallel=∑i1Ri\displaystyle R_{\text{series}}=\sum_i R_i,\quad\frac1{R_{\text{parallel}}}=\sum_i\frac1{R_i}

よくあるミス・検算の観点

  • 図上で素子が隣り合っているだけでは直列ではない。間の節点から別の枝へ分岐していないか確認する。
  • 並列の公式でRを足してはいけない。まず1/Rを足す。等価抵抗は各並列枝の抵抗より小さい。
  • 抵抗値が0 Ωの短絡枝や開放枝があるときは、ゼロ割りせず物理的接続から考える。

単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。

例題1(基本)|何を求めるかから始める

R₁R₂電圧 V は両枝で同じ
並列は枝の両端が同じ2節点なので電圧が同じ。
なぜその法則を使う? 計算の順序と検算
  1. 2 Ωと3 Ωを直列につなぎ、全体に10 Vを加える。まず分岐がないので両抵抗には同じ電流Iが流れる。
  2. KVLより10=2I+3I=(2+3)I。したがって合成抵抗R_eq=5 Ω。
  3. 電流はI=10/5=2 A。
  4. 電圧降下は2Ω側が4 V、3Ω側が6 V。合計4+6=10 Vで電源電圧に一致。
  5. もし並列なら電圧が共通で、等価抵抗はR_eq=(1/2+1/3)⁻¹=1.2 Ωになり、直列の5 Ωとは異なる。

例題2(標準)|4 Ωと12 Ωを並列にし、全体に12 Vを加える。等価抵抗と電源電流は。

  1. 1/R_eq=1/4+1/12=1/3なのでR_eq=3 Ω。
  2. 電源電流I=12/3=4 A。枝電流3 Aと1 Aの和にも一致。

演習問題(基本・標準・発展)

基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。

R₁R₂I = I₁ + I₂
並列は枝電流が加算されるため、逆数(コンダクタンス)を足します。
基本 1

4 Ωと6 Ωを直列に接続する。合成抵抗はいくらか。

R₁R₂直列4Ω + 6Ω
問題1の考え方を整理する図。実際の数値・条件:4 Ωと6 Ωを直列に接続する。合成抵抗はいくらか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 直列は同じ電流が流れるのでR_eq=R₁+R₂。
  2. 4+6=10 Ω。
基本 2

6 Ωと3 Ωを並列に接続する。合成抵抗を求めよ。

R₁R₂並列6Ω // 3Ω
問題2の考え方を整理する図。実際の数値・条件:6 Ωと3 Ωを並列に接続する。合成抵抗を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 並列は両端電圧が同じ。1/R_eq=1/6+1/3=1/2。
  2. R_eq=2 Ω。
基本 3

2 Ωと3 Ωの直列回路へ10 Vを加える。全電流はいくらか。

R₁R₂直列・10 V2Ω + 3Ω
問題3の考え方を整理する図。実際の数値・条件:2 Ωと3 Ωの直列回路へ10 Vを加える。全電流はいくらか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 合成抵抗R_eq=5 Ω。
  2. I=10/5=2 A。
標準 4

4 Ωと12 Ωを並列にし、全体に12 Vを加える。等価抵抗と電源電流は。

R₁R₂並列・12 V4Ω // 12Ω
問題4の考え方を整理する図。実際の数値・条件:4 Ωと12 Ωを並列にし、全体に12 Vを加える。等価抵抗と電源電流は。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 1/R_eq=1/4+1/12=1/3なのでR_eq=3 Ω。
  2. 電源電流I=12/3=4 A。枝電流3 Aと1 Aの和にも一致。
標準 5

2 Ωと、6 Ω・3 Ωの並列部分を直列接続し、12 Vを加える。全電流と並列部分の電圧を求めよ。

R₁R₂混合・12 V2Ω + (6Ω // 3Ω)
問題5の考え方を整理する図。実際の数値・条件:2 Ωと、6 Ω・3 Ωの並列部分を直列接続し、12 Vを加える。全電流と並列部分の電圧を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 6 Ω//3 Ωは(1/6+1/3)⁻¹=2 Ω。全体は2+2=4 Ω。
  2. 全電流=12/4=3 A。並列部分の電圧は3×2=6 V。
発展 6

同じ9 Ωの抵抗3本を並列接続する。合成抵抗は。

R₁R₂並列3本9Ω // 9Ω // 9Ω
問題6の考え方を整理する図。実際の数値・条件:同じ9 Ωの抵抗3本を並列接続する。合成抵抗は。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 1/R_eq=1/9+1/9+1/9=3/9。
  2. R_eq=3 Ω。
発展 7

2 Ωと3 Ωを直列にし、全体に15 Vを印加する。3 Ωの両端電圧を求めよ。

R₁R₂分圧・15 V2Ω + 3Ω
問題7の考え方を整理する図。実際の数値・条件:2 Ωと3 Ωを直列にし、全体に15 Vを印加する。3 Ωの両端電圧を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 電源電流I=15/(2+3)=3 A。
  2. 3Ωの電圧は3×3=9 V。分圧公式15×3/(2+3)でも同じ。

問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。

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未完了

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