電気系大学生の自習室

電荷・電流・電圧・電力

電流は電荷の流れる速さ、電圧は単位電荷あたりのエネルギー差。受動符号規約で素子に流れ込む電流が正端子へ入るとp=viが吸収電力。

現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?

金属中を流れる電流は電荷の移動率で、電圧は単位電荷あたりのエネルギー差です。電力は単位時間に移されるエネルギーなので、電圧と電流を掛ければ求められます。ただし電力の符号は電流をどちら向きに定義するかで変わります。

回路を流れる電流とは、ある断面を単位時間に通過する電荷量です。電圧は電荷一個あたりではなく『単位電荷あたり』のエネルギーの差であり、その電圧差に電流を掛けると、エネルギーが単位時間に移る速さが分かります。

電流の矢印を実際と逆向きに仮定しても計算はできます。ただし電力の正負には約束があります。電流が素子の正端子から入る場合、p=viの正はその素子がエネルギーを吸収するという意味です。

現象を表す公式・定義

i(t)=dq(t)dt,p(t)=v(t)i(t)\displaystyle i(t)=\frac{dq(t)}{dt},\qquad p(t)=v(t)i(t)

この公式を使えるのはどんなとき?

枝の電流を通過電荷の時間変化から求めるとき、または端子電圧vと電流iから瞬時電力を求めるとき。電力の正負は受動符号規約に基づきます。

何を代入し、どう使う?

iは電流[A]、qは電荷[C]、vは電圧[V]、pは電力[W]。例えば5 Vで0.2 Aが抵抗の正端子へ流れ込むとp=1 W。一定の電力なら10秒で10 J、変化するときはW=∫pdtです。

使えない条件・検算のポイント

正端子から電流が出る電源は、受動符号規約ではpが負でエネルギーを供給します。電流が時間変化するのにi=Δq/Δtを瞬時値とみなしたり、pが変化するのにW=Ptを使ったりしないでください。

現象を図で理解する

R+−Vi →i=dq/dt電荷の移動速度+−
導線を通る電荷の移動速度が電流。矢印は正として選んだ電流方向です。
p=V×I、I=0.2 A電圧を上げると消費電力は比例して増える

模式図は理解を助けるための相対表示です。実際のSI単位の値や境界条件は式・例題で確認してください。

模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。

式が成り立つ理由・導出の流れ

適用条件:集中定数回路の端子電圧と枝電流を定義する。受動符号規約では電流が素子の電圧正端子から入り、p=vi>0が吸収電力です。

冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。

代表的な計算式

i=dqdt,p=vi\displaystyle i=\frac{dq}{dt},\qquad p=vi

よくあるミス・検算の観点

  • 電流Aと電荷Cを取り違えない。電流は電荷の時間微分であり、1 A=1 C/s。
  • p=viの符号は必ず受動符号規約と組み合わせる。電源が供給する電力を吸収電力として足さない。
  • 一定電力のときだけW=Pt。時間変化する場合はW=∫p(t)dt。

単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。

例題1(基本)|何を求めるかから始める

R+−Vi →p=vi吸収電力+−
電流が素子の電圧正端子へ入るとp=viは素子の吸収電力です。
なぜその法則を使う? 計算の順序と検算
  1. 5 Vの電源につながれた抵抗に0.2 Aが流れるとする。求めたいのは吸収電力。
  2. 抵抗の正端子へ流れ込む向きに電流0.2 Aを定義する(受動符号規約)。
  3. 電力p=viへ代入すると p=5×0.2=1 W。
  4. 1秒間に1 Jのエネルギーを抵抗が吸収する。10秒続けばW=∫pdt=10 J。
  5. 電源を素子として考えるときは、電流が正端子から出る場合、同じ規約でその電源の吸収電力は負になる。

例題2(標準)|電力27 Wを吸収する抵抗に9 Vがかかる。電流の大きさを求めよ。

  1. p=viをi=p/vへ変形。
  2. 27 W/9 V=3 A。

演習問題(基本・標準・発展)

基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。

R+−Vi →W=∫pdt電力の時間積分+−
消費・供給されたエネルギーは電力を時間で積分して求めます。
基本 1

電荷6 mCが3 msの間に一定の割合で移動する。平均電流は何Aか。

入力・符号を確認q=6 mCΔt=3 msp=vi, W=∫pdt
問題1の考え方を整理する図。実際の数値・条件:電荷6 mCが3 msの間に一定の割合で移動する。平均電流は何Aか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 電流は単位時間あたりの移動電荷。I=Δq/Δt。
  2. 6 mC=6×10⁻³ C、3 ms=3×10⁻³ s。
  3. I=6×10⁻³/(3×10⁻³)=2 A。
基本 2

12 Vの抵抗に0.5 Aが正端子から流れ込む。吸収電力はいくらか。

入力・符号を確認V=12 Vi=0.5 Ap=vi, W=∫pdt
問題2の考え方を整理する図。実際の数値・条件:12 Vの抵抗に0.5 Aが正端子から流れ込む。吸収電力はいくらか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 受動符号規約よりp=vi。
  2. 12×0.5=6 W。抵抗は6 Wを吸収する。
基本 3

i(t)=2t A(tの単位は秒)、q(0)=0。0~3秒の移動電荷を求めよ。

入力・符号を確認i(t)=2t A0→3 sp=vi, W=∫pdt
問題3の考え方を整理する図。実際の数値・条件:i(t)=2t A(tの単位は秒)、q(0)=0。0~3秒の移動電荷を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 電荷変化は電流の時間積分Δq=∫₀³i(t)dt。
  2. ∫₀³2t dt=[t²]₀³=9 C。
標準 4

電力27 Wを吸収する抵抗に9 Vがかかる。電流の大きさを求めよ。

入力・符号を確認P=27 WV=9 Vp=vi, W=∫pdt
問題4の考え方を整理する図。実際の数値・条件:電力27 Wを吸収する抵抗に9 Vがかかる。電流の大きさを求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. p=viをi=p/vへ変形。
  2. 27 W/9 V=3 A。
標準 5

5 V、0.2 Aで抵抗を20秒間動作させる。吸収エネルギーは何Jか。

入力・符号を確認t=20 sV=5 V, i=0.2 Ap=vi, W=∫pdt
問題5の考え方を整理する図。実際の数値・条件:5 V、0.2 Aで抵抗を20秒間動作させる。吸収エネルギーは何Jか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. p=vi=1 Wで一定。
  2. W=pt=1×20=20 J。
発展 6

10 V、0.4 Aの電流が電源の正端子から外へ流れ出す。電源の吸収電力は何Wか。

入力・符号を確認電源:供給V=10 V, i=0.4 Ap<0なら供給
問題6の考え方を整理する図。実際の数値・条件:10 V、0.4 Aの電流が電源の正端子から外へ流れ出す。電源の吸収電力は何Wか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 受動符号規約では電流は正端子へ入る向きが正。実際の電流は逆なのでi=−0.4 A。
  2. p=10×(−0.4)=−4 W。つまり電源は4 Wを供給する。
発展 7

v(t)=4t V、i(t)=2 A(0≤t≤3秒)で正端子へ電流が流入する。吸収エネルギーを求めよ。

入力・符号を確認v(t)=4t Vi=2 A, 0→3 sp=vi, W=∫pdt
問題7の考え方を整理する図。実際の数値・条件:v(t)=4t V、i(t)=2 A(0≤t≤3秒)で正端子へ電流が流入する。吸収エネルギーを求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. p(t)=v(t)i(t)=8t W。
  2. W=∫₀³8t dt=[4t²]₀³=36 J。

問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。

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未完了

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