現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?
一次線形微分方程式は変化率と現在値の一次式です。初期値が与えられると、時間とともに解がどう変化するかが一意に定まります。
熱い物が冷めるとき、周囲との温度差が大きいほど急速に冷え、温度差が小さくなるほどゆっくり変化します。状態量の変化率が現在の状態に比例する現象です。
微分方程式は『現在の量が次の変化を決める』関係を表します。初期条件があると、一般解の中から具体的な一つの時間応答が決まります。
現象を表す公式・定義
この公式を使えるのはどんなとき?
係数a,bが一定の一次線形常微分方程式でa>0、y(0)=y0とする場合。
何を代入し、どう使う?
aは逆時間の次元、b/aは平衡値。まずdy/dt=0で定常値を求め、初期値との差がe^(−at)で減衰すると考えます。
使えない条件・検算のポイント
a,bが時間変化する場合やy²など非線形項がある場合は別の解法が必要です。t=0と無限時間の極限を確認します。
現象を図で理解する
模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。
式が成り立つ理由・導出の流れ
適用条件:yはtの関数、係数a,bは定数、方程式 y′+ay=b。a>0では平衡値b/aへ指数関数的に近づく。
冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。
代表的な計算式
よくあるミス・検算の観点
- 一般解の積分定数Cを初期条件で必ず定める。
- 指数の符号を間違えない。a>0ならe^(−at)は時間とともに減衰する。
- 定数特解b/aはa=0の場合に使えない。
単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。
例題1(基本)|何を求めるかから始める
- y′+ay=bを考える。右辺0の同次解はCe^(−at)。
- 定数特解はa≠0でy=b/a。
- 一般解はy=b/a+Ce^(−at)。
- y(0)=y0からC=y0−b/a。
- したがってy(t)=b/a+(y0−b/a)e^(−at)。初期値・長時間極限を検算する。
例題2(標準)|y′+2y=4、y(0)=0を解け。
- 特解2、同次解Ce^(−2t)。
- C=−2、y=2(1−e^(−2t))。
演習問題(基本・標準・発展)
基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。
y′+2y=0、y(0)=3を解け。
手順と解説を見る
- 一般解はCe^(−2t)。
- 初期値からC=3、y=3e^(−2t)。
y′+y=0、y(0)=1の長時間極限を求めよ。
手順と解説を見る
- y=e^(−t)。
- t→∞で0。
y′+2y=4の定数解を求めよ。
手順と解説を見る
- y′=0を代入。
- 2y=4、y=2。
y′+2y=4、y(0)=0を解け。
手順と解説を見る
- 特解2、同次解Ce^(−2t)。
- C=−2、y=2(1−e^(−2t))。
y′+3y=6、y(0)=5を解け。
手順と解説を見る
- 平衡値は2。
- C=5−2=3、y=2+3e^(−3t)。
y′+ay=b(a>0)、y(0)=y0の解を書け。
手順と解説を見る
- 特解b/aと同次解Ce^(−at)を足す。
- y=b/a+(y0−b/a)e^(−at)。
a>0の y′+ay=b について、なぜ全ての初期値で平衡値b/aに近づくか説明せよ。
手順と解説を見る
- 平衡値との差は(y0−b/a)e^(−at)。
- a>0なら指数項が0に収束する。
問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。
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未完了関連単元・参考資料
前後の単元を続けて読むと、定義から応用までのつながりを確認できます。院試の過去問は大学の公式公開先を参照し、当サイトには独自解説・オリジナル練習問題を掲載します。