電気系大学生の自習室

クーロンの法則

点電荷間に働く力は電荷の積に比例し距離の二乗に反比例する。正負で力の向きが変わる。

現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?

二つの点電荷は離れていても互いに力を及ぼします。力の大きさは電荷の積が大きいほど大きく、距離が長いほど急速に弱くなります。力は必ず二つの電荷を結ぶ直線方向に働き、同符号どうしは反発、異符号どうしは引き合います。

正と負の電荷の間には引力、同じ符号の電荷どうしには斥力が働きます。点電荷間の距離が大きいほど力は弱まりますが、一定の割合ではありません。距離が2倍なら力は4分の1になる逆二乗の関係です。

一方の電荷がもう一方に及ぼす力と、その反作用は大きさが等しく向きが逆です。電荷が複数あると力はベクトルとして重なり、左右の力が打ち消し合うこともあります。

現象を表す公式・定義

∣F∣=14πε0∣q1q2∣r2\displaystyle |\mathbf F|=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\frac{|q_1q_2|}{r^2}

この公式を使えるのはどんなとき?

真空中の静止点電荷2個が距離r>0だけ離れているとき。電荷同士の力の大きさを計算し、方向は同符号なら斥力、異符号なら引力として別に決めます。

何を代入し、どう使う?

q₁,q₂は電荷[C]、rは距離[m]、ε₀は真空の誘電率。k=1/(4πε₀)≈8.99×10⁹ N·m²/C²を用い、+1 μCどうしを1 m離すとF≈8.99×10⁻³ Nになります。

使えない条件・検算のポイント

有限の大きさをもつ電荷分布や物質中では近似や誘電率の扱いが必要です。式の絶対値を入れたままでは方向は分かりません。3個以上の電荷の合力はベクトル成分に分けて足します。

現象を図で理解する

+q₁+q₂r同符号は斥力力は一直線上・大きさは同じ
正の電荷どうしは互いに遠ざける方向へ力が働きます。
++同符号:斥力r が小さいほど |F| は急激に増える

模式図は理解を助けるための相対表示です。実際のSI単位の値や境界条件は式・例題で確認してください。

模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。

式が成り立つ理由・導出の流れ

適用条件:真空中の静止した点電荷、電荷間距離r>0、外部媒質や有限サイズによる効果を無視する。複数電荷の力はベクトルとして重ね合わせる。

冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。

代表的な計算式

∣F∣=14πε0∣q1q2∣r2\displaystyle |\mathbf F|=\frac1{4\pi\varepsilon_0}\frac{|q_1q_2|}{r^2}

よくあるミス・検算の観点

  • μCをCへ変換し、距離mを二乗する。式に電荷の絶対値があるとき、符号は力の向きを別に判定する。
  • 電荷の符号が異なるときの引力・反発を混同しない。二つの電荷に働く力の向きは常に逆。
  • 力はベクトル。電荷が3個以上なら大きさだけを足さず、x,y成分に分けて合成する。

単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。

例題1(基本)|何を求めるかから始める

+q₁−q₂r異符号は引力力は一直線上・大きさは同じ
正電荷と負電荷の間には引力が働きます。
なぜその法則を使う? 計算の順序と検算
  1. 真空でq₁=q₂=+1.0 μCの点電荷を1.0 m離して置く。どちらも正なので力は反発方向。
  2. 定数k=1/(4πε₀)≈8.99×10⁹ N·m²/C²。電荷を1.0×10⁻⁶ Cへ換算する。
  3. 力の大きさ F=k|q₁q₂|/r²。
  4. F=8.99×10⁹×(1.0×10⁻⁶)²/(1.0)²=8.99×10⁻³ N。
  5. ニュートンの第三法則により2つの電荷が受ける力は大きさが同じで、向きは反対。

例題2(標準)|q₁=q₂=+2.0 μC、r=0.30 m。力を計算せよ。

  1. F≈8.99×10⁹×4.0×10⁻¹²/(0.30)²。
  2. 約0.400 N。正電荷どうしなので斥力。

演習問題(基本・標準・発展)

基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。

+q₁+q₂r同符号は斥力rを2倍 → 力は1/4
距離の逆二乗で力が弱まり、距離を2倍にすると1/4倍です。
基本 1

+1.0 μCの点電荷2個を真空中で1.0 m離す。力の大きさと向きを求めよ。

++q₁=+1 μC, q₂=+1 μC向き→大きさ→単位の順に確認
問題1の考え方を整理する図。実際の数値・条件:+1.0 μCの点電荷2個を真空中で1.0 m離す。力の大きさと向きを求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. k≈8.99×10⁹、電荷は各1.0×10⁻⁶ C。
  2. F=kq²/r²=8.99×10⁻³ N。
  3. 同符号なので互いに遠ざかる向き(斥力)。
基本 2

二つの点電荷の電荷量はそのままで距離を2倍にした。力は何倍か。

++距離 r → 2r向き→大きさ→単位の順に確認
問題2の考え方を整理する図。実際の数値・条件:二つの点電荷の電荷量はそのままで距離を2倍にした。力は何倍か。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. クーロン力は距離の二乗に反比例。
  2. F′/F=(r/2r)²=1/4。
基本 3

q₁=+2.0 μC、q₂=−3.0 μC、r=0.50 m。真空中の力の大きさと向きは。

+−q₁=+2 μC, q₂=−3 μC向き→大きさ→単位の順に確認
問題3の考え方を整理する図。実際の数値・条件:q₁=+2.0 μC、q₂=−3.0 μC、r=0.50 m。真空中の力の大きさと向きは。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 電荷積の絶対値は6.0×10⁻¹² C²、r²=0.25 m²。
  2. F≈8.99×10⁹×6.0×10⁻¹²/0.25≈0.216 N。異符号なので引力。
標準 4

q₁=q₂=+2.0 μC、r=0.30 m。力を計算せよ。

++q₁=q₂=+2 μC向き→大きさ→単位の順に確認
問題4の考え方を整理する図。実際の数値・条件:q₁=q₂=+2.0 μC、r=0.30 m。力を計算せよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. F≈8.99×10⁹×4.0×10⁻¹²/(0.30)²。
  2. 約0.400 N。正電荷どうしなので斥力。
標準 5

0.080 Nの力を及ぼす二つの点電荷を、電荷を変えずに距離3倍にする。新しい力は。

++距離 r → 3r向き→大きさ→単位の順に確認
問題5の考え方を整理する図。実際の数値・条件:0.080 Nの力を及ぼす二つの点電荷を、電荷を変えずに距離3倍にする。新しい力は。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 距離3倍では力1/9。
  2. 0.080/9≈8.89×10⁻³ N。
発展 6

x=0,1,2 mに同じ+1.0 μCの点電荷を置く。中央の電荷が受ける合力を求めよ。

+++等間隔・3つの正電荷向き→大きさ→単位の順に確認
問題6の考え方を整理する図。実際の数値・条件:x=0,1,2 mに同じ+1.0 μCの点電荷を置く。中央の電荷が受ける合力を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 左端は中央を右へ押し、右端は中央を左へ押す。
  2. 距離と電荷が同じなので二力の大きさが一致し、ベクトル和は0 N。
発展 7

真空中で(−1,0) mと(1,0) mに+1.0 μCを置き、(0,1) mの+1.0 μCが受ける合力を求めよ。

+++F合力 ↑左右対称・上方の試験電荷各力のx成分は相殺
問題7の考え方を整理する図。実際の数値・条件:真空中で(−1,0) mと(1,0) mに+1.0 μCを置き、(0,1) mの+1.0 μCが受ける合力を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 各距離は√2 m。各斥力の大きさはF=k×10⁻¹²/2≈4.495×10⁻³ N。
  2. 左右方向の成分は相殺。上向き成分を2つ足すと2F/√2=√2F≈6.36×10⁻³ N。

問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。

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未完了

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