現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?
RC充電では、蓄積した電荷により抵抗の電圧降下が小さくなり、電流が次第に減少します。初期は速く、時間がたつほどゆっくり電源電圧に近づきます。
スイッチを入れた直後、未充電コンデンサの電圧は0なので抵抗には電源電圧がほぼ全てかかり、大きな電流が流れます。
電荷がたまるとコンデンサ電圧が上がり、抵抗にかかる電圧と電流が減ります。電圧の増える速さは最終電圧との残りの差に比例するため、充電は一定速度ではなく指数関数的に進みます。
現象を表す公式・定義
この公式を使えるのはどんなとき?
直流電源V、一定のR,C、直列回路、t=0で充電開始、vC(0)=0の条件を満たすとき。
何を代入し、どう使う?
vCは電圧[V]、Rは抵抗[Ω]、Cは容量[F]、τは時定数[s]。まずτ=RCを計算し、求める時刻をt/τに変換して代入します。
使えない条件・検算のポイント
t=0なら0、t=τなら0.632V、十分長時間ならVです。初期電圧V0が0でなければvC=V+(V0−V)e^(−t/RC)を使います。
現象を図で理解する
模式図は理解を助けるための相対表示です。実際のSI単位の値や境界条件は式・例題で確認してください。
模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。
式が成り立つ理由・導出の流れ
適用条件:R>0、C>0、直流理想電源V、vC(0)=0。t=0で接続し、受動符号規約を用います。
冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。
代表的な計算式
よくあるミス・検算の観点
- 時定数RCの単位は秒です。kΩやμFの接頭辞を落として計算しないでください。
- 抵抗電圧vRとコンデンサ電圧vCを取り違えず、KVLの向きと符号を定めてください。
- vCは瞬時に飛びません。t=0とt→∞の両極限を必ず検算してください。
単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。
例題1(基本)|何を求めるかから始める
- KVLにより V=Ri+vC。
- i=C dvC/dt を代入して RC dvC/dt+vC=V。
- dvC/(V−vC)=dt/(RC) を積分し、初期条件 vC(0)=0 を適用。
- vC(t)=V[1−exp(−t/RC)]、i(t)=(V/R)exp(−t/RC)。
- t=RCでvC≈0.632V、長時間後にi→0。
例題2(標準)|Rのみ2倍にした。90%充電にかかる時間は何倍か。
- t=RC ln(10)。
- Rを2倍にすると到達時間も2倍。
演習問題(基本・標準・発展)
基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。
R=10 kΩ、C=100 μFの時定数はいくつか。
手順と解説を見る
- RC=10000×100×10⁻⁶=1.0 s。
V=5 VのRC充電でt=RCのvCはいくつか。
手順と解説を見る
- 5(1−e⁻¹)≈3.16 V。
V=12 V、R=2 kΩ。t=0の電流と長時間後の電流は。
手順と解説を見る
- 初期は12/2000=6 mA。
- t→∞で0 Aに近づく。
Rのみ2倍にした。90%充電にかかる時間は何倍か。
手順と解説を見る
- t=RC ln(10)。
- Rを2倍にすると到達時間も2倍。
vC(0)=V0の場合の一般式を求めよ。
手順と解説を見る
- 平衡解はV。
- vC(t)=V+(V0−V)exp(−t/RC)。
充電が指数関数的になる理由を説明せよ。
手順と解説を見る
- dvC/dt=(V−vC)/(RC)なので変化速度は残りの差に比例する。
- 差が小さくなるほど速度が下がる。
V0=10 Vから電源なしでRC放電させる。R=2 kΩ、C=100 μFのとき、0.2秒後の電圧は。
手順と解説を見る
- 放電条件は vC(0)=V0、dvC/dt=−vC/(RC)。
- RC=2000×100×10⁻⁶=0.2 s。
- vC(0.2)=10 exp(−0.2/0.2)=10/e≈3.68 V。
問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。
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未完了関連単元・参考資料
前後の単元を続けて読むと、定義から応用までのつながりを確認できます。院試の過去問は大学の公式公開先を参照し、当サイトには独自解説・オリジナル練習問題を掲載します。