現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?
定積分は区間全体の微小な変化を足し合わせる操作です。微分と積分は互いに逆の関係にあり、微積分学の基本定理を使うと定積分を原始関数の差として計算できます。
速度を短い時間ごとに足して移動量を求めるように、小さな寄与を連続的に積み重ねるのが定積分です。グラフではx軸の上側を正、下側を負として数える符号付き面積に対応します。
微分は瞬間的な変化率、積分は変化を積み上げた量です。微積分学の基本定理は、原始関数の両端の値から積み上げた結果を計算できるという橋渡しです。
現象を表す公式・定義
この公式を使えるのはどんなとき?
fが区間[a,b]で連続で、原始関数Fが得られる場合。
何を代入し、どう使う?
a,bは積分区間、Fは導関数がfになる関数。たとえばf=x²ならF=x³/3だから0から2では8/3です。
使えない条件・検算のポイント
積分の値は符号付き面積です。幾何学的な面積を求めるには負の部分を反転させて加える必要があります。
現象を図で理解する
模式図は理解を助けるための相対表示です。実際のSI単位の値や境界条件は式・例題で確認してください。
模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。
式が成り立つ理由・導出の流れ
適用条件:fが閉区間[a,b]で連続、F′(x)=f(x)である原始関数Fを取る。向き付き積分としてa>bにも拡張可能。
冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。
代表的な計算式
よくあるミス・検算の観点
- 不定積分の積分定数Cは定積分の上下限の差では打ち消し合う。
- F(b)−F(a)の順序を逆にしない。区間を反転すると積分値の符号も反転する。
- fが負の区間では定積分は符号付き面積になり、幾何学的な面積とは異なることがある。
単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。
例題1(基本)|何を求めるかから始める
- 例としてf(x)=3x²をx=1からx=2まで積分する。
- 原始関数F(x)=x³を取る。微分するとF′=3x²となり、求めるfと一致。
- 微積分学の基本定理より ∫₁²3x²dx=F(2)−F(1)。
- 2³−1³=8−1=7。fはこの区間で正なので面積7と一致。
- 原始関数に任意定数Cを足してもF(b)−F(a)ではCが相殺される。
例題2(標準)|∫₁³(2x+1)dxを求めよ。
- 原始関数はx²+x。
- (9+3)−(1+1)=10。
演習問題(基本・標準・発展)
基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。
∫₀² 3x² dxを求めよ。
手順と解説を見る
- 原始関数はx³。
- [x³]₀²=8。
F(x)=∫₁ˣ t³dtとする。F′(x)を求めよ。
手順と解説を見る
- 基本定理により上限xでの被積分関数を評価。
- F′(x)=x³。
∫₀^π cos x dxを求めよ。
手順と解説を見る
- 原始関数はsin x。
- sinπ−sin0=0。
∫₁³(2x+1)dxを求めよ。
手順と解説を見る
- 原始関数はx²+x。
- (9+3)−(1+1)=10。
f(x)=2xの区間[0,2]における平均値を求めよ。
手順と解説を見る
- 平均値は区間長2で積分値を割る。
- (1/2)∫₀²2x dx=(1/2)×4=2。
G(x)=∫₀^{x²} sin t dtをxで微分せよ。
手順と解説を見る
- 上限がx²なので連鎖律を併用。
- G′(x)=sin(x²)×2x。
a>0として∫₀^a (2x+3)dx=10を満たすaを求めよ。
手順と解説を見る
- 積分するとa²+3a=10。
- (a+5)(a−2)=0、a>0よりa=2。
問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。
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未完了関連単元・参考資料
前後の単元を続けて読むと、定義から応用までのつながりを確認できます。院試の過去問は大学の公式公開先を参照し、当サイトには独自解説・オリジナル練習問題を掲載します。