電気系大学生の自習室

数列・関数の極限

極限は「ある値へ近づくとき、関数値がどこへ近づくか」を調べる考え方。直接代入で0/0になる式は、因数分解などで同値な式に変形する。

現象から理解する:何が起こり、なぜ起こる?

極限は、ある点における関数値を調べるのではなく、その点へ限りなく近づくと関数値がどう振る舞うかを調べる操作です。0/0の形が出たら答えが0という意味ではありません。近づく途中の式を変形して左右から値を調べることが大切です。

関数の極限は、ある点そのものの関数値を求めるのではなく、その点へ左右から限りなく近づけたときの値の振る舞いです。x=2で分母が0になる式も、xが2ではない周囲の点で簡単な式に変形できれば極限を求められます。

たとえば(x²−4)/(x−2)はx≠2ならx+2に等しく、2へ近づくと4へ近づきます。一方、|x|/xのように左右から近づく値が異なるときは二側極限が存在しません。

現象を表す公式・定義

lim⁡x→2x2−4x−2=4\displaystyle \lim_{x\to 2}\frac{x^2-4}{x-2}=4

この公式を使えるのはどんなとき?

関数がaの近くで定義され、左右から同じ数Lに近づくとき、lim x→a f(x)=Lと書けます。aそのものの関数値は必要ありません。

何を代入し、どう使う?

x=2を直接代入すると0/0。x²−4=(x−2)(x+2)と因数分解し、x≠2で約分してx+2の極限を評価します。したがって4です。

使えない条件・検算のポイント

0/0という不定形を0と決めてはいけません。左右極限が異なるなら極限は存在しません。例えば|x|/xは右から1、左から−1です。

現象を図で理解する

左から → ◯ ← 右からx=2極限値4
左右から同じ高さに近づくことが極限の意味。点そのものに値がなくてもよい。
極限は4x=2は定義なし

模式図は理解を助けるための相対表示です。実際のSI単位の値や境界条件は式・例題で確認してください。

模式図は法則を理解するための補助です。実際に代入する数値や条件は、公式と問題文で確認してください。

式が成り立つ理由・導出の流れ

適用条件:実数関数について、点aの周囲で(a以外の)関数値が定義されている。二側極限が存在するには左右極限が同じ有限値に近づく必要がある。

冒頭の基本式は、現象の向き・保存則・変化率から導かれます。下の例題ではどの項を残し、何を既知量とするかを順に確認します。

よくあるミス・検算の観点

  • 0/0は不定形であり答え0ではない。因数分解や有理化で調べる。
  • 分母が0になる点で変形後の関数と元の関数が完全に同じと書かない。近傍のx≠aに限る。
  • 右からの極限と左からの極限が異なれば二側極限は存在しない。

単位、符号、初期条件、ベクトルの向きを最後に確認しましょう。

例題1(基本)|何を求めるかから始める

左から → ◯ ← 右からx=2f(2)は未定義でもよい
0/0が出ても極限が不定とは限らない。因数分解後の関数で近づく。
なぜその法則を使う? 計算の順序と検算
  1. f(x)=(x²−4)/(x−2)のx→2の極限を計算する。x=2は0/0なので直接代入不可。
  2. 分子を因数分解するとx²−4=(x−2)(x+2)。
  3. x≠2ではf(x)=x+2。極限ではx=2そのものを使わないため、この変形は正当。
  4. よってx→2でf(x)→2+2=4。
  5. 関数値f(2)は未定義でも、極限値は4として存在することを区別する。

例題2(標準)|lim_{x→0}(√(1+x)−1)/xを求めよ。

  1. 分子分母へ√(1+x)+1を掛けて有理化。
  2. x≠0で1/(√(1+x)+1)となる。x→0より1/2。

演習問題(基本・標準・発展)

基本から段階的に考えるオリジナル問題です。内容確認中の単元には共通の復習問題も残しています。

左から → ◯ ← 右からx=2左右極限が一致
左右から異なる値へ近づく場合は二側極限が存在しない。
基本 1

lim_{x→2}(x²−4)/(x−2)を求めよ。

(x²−4)/(x−2)代入前に式を整理
問題1の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→2}(x²−4)/(x−2)を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. x²−4=(x−2)(x+2)と因数分解する。
  2. x≠2でf(x)=x+2。極限は2+2=4。
基本 2

lim_{x→3}(x²−9)/(x−3)を求めよ。

(x²−9)/(x−3)代入前に式を整理
問題2の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→3}(x²−9)/(x−3)を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. x²−9=(x−3)(x+3)。
  2. x≠3でx+3となるので極限は6。
基本 3

lim_{x→0} sin x / x を求めよ(xはラジアン)。

sin x/x代入前に式を整理
問題3の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→0} sin x / x を求めよ(xはラジアン)。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 基本極限lim_{x→0}sin x/x=1を用いる。
  2. 左右から同じ1へ近づく。答え1。
標準 4

lim_{x→0}(√(1+x)−1)/xを求めよ。

(√(1+x)−1)/x代入前に式を整理
問題4の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→0}(√(1+x)−1)/xを求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 分子分母へ√(1+x)+1を掛けて有理化。
  2. x≠0で1/(√(1+x)+1)となる。x→0より1/2。
標準 5

lim_{x→∞}(3x²+2)/(x²−1)を求めよ。

x→∞:最高次数代入前に式を整理
問題5の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→∞}(3x²+2)/(x²−1)を求めよ。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 分母分子をx²で割ると(3+2/x²)/(1−1/x²)。
  2. x→∞で1/x²→0、極限は3。
発展 6

lim_{x→0}|x|/xは存在するか。

|x|/x:左右不一致左側と右側を比較
問題6の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→0}|x|/xは存在するか。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. x>0では1、x<0では−1。
  2. 左右極限が一致しないため二側極限は存在しない。
発展 7

lim_{x→0}(1−cos x)/x²を求めよ(xはラジアン)。

(1−cos x)/x²代入前に式を整理
問題7の考え方を整理する図。実際の数値・条件:lim_{x→0}(1−cos x)/x²を求めよ(xはラジアン)。。寸法・長さは模式的に表しています。
手順と解説を見る
  1. 1−cos x=2sin²(x/2)と変形。
  2. 式は(1/2)(sin(x/2)/(x/2))²、基本極限より1/2。

問題に添えた図は考えるための模式図です。数値や関係を判断するときは必ず問題文の条件を優先してください。

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未完了

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