電気系大学生の自習室

東大院試2026数学の解説ノート。

実際の大学院入試問題を参照した、独自の解法解説。問題文は大学公式PDFで確認してください。

出典:東京大学大学院工学系研究科「2026年度大学院入学試験問題 数学」(公式PDF、日本語問題4ページ目=PDFの4枚目、第1問/第2問はPDFの6枚目)。問題文の全文・図は転載しません。解答と説明は当サイト独自のものです。大学公式の数学過去問PDFを開く ↗

第1問 I.1:定係数二階微分方程式

定数係数の線形非斉次微分方程式です。「斉次方程式の一般解」+「非斉次項に対する一つの特解」の2段階で解きます。

Step 1 — 斉次方程式を解く

対応する斉次方程式の特性方程式は r²+6r+8=(r+2)(r+4)=0。根が−2,−4なので、斉次解は C₁e^(−2x)+C₂e^(−4x) です。

Step 2 — 右辺の指数関数を試す

非斉次項が e^(−x) に比例するので yₚ=Ae^(−x) と置きます。微分して左辺に代入すると (1−6+8)Ae^(−x)=3Ae^(−x)。右辺の3e^(−x)と係数を比べるとA=1です。

一般解:y(x)=C₁e^(−2x)+C₂e^(−4x)+e^(−x)

最後に微分して左辺へ代入し、0になることを確認してください。斉次解の指数と強制項の指数が同じなら、特解の候補をx倍する必要がありますが、この問題では異なるため不要です。

第1問 I.2:オイラー型(Cauchy–Euler)微分方程式

x²が二階微分に掛かるため、斉次解を y=xᵐ と仮定すると指数を揃えられます。x=0をまたぐ扱いは別途注意してください。

Step 1 — 斉次解

斉次部分へ y=xᵐ を代入すると m(m−1)−2=0、すなわち(m−2)(m+1)=0。m=2,−1だから C₁x²+C₂/x が斉次解です。

Step 2 — 多項式型の特解

非斉次項はx³に比例するので yₚ=Ax³ を試します。y″=6Ax より、左辺の斉次演算子は (6A−2A)x³=4Ax³。非斉次項の係数と合わせてA=1となります。

一般解(x≠0の区間):y(x)=C₁x²+C₂/x+x³

第2問 I.1・I.2:回転行列と固有値・逆行列

問題の2×2行列は角度θ=2π/n(n≥3)の平面回転を表します。複素数まで固有値を考えると、回転行列の構造が見えます。

固有値と単位固有ベクトル

行列R=[[cosθ,−sinθ],[sinθ,cosθ]]の特性方程式は λ²−2(cosθ)λ+1=0。解は λ₊=cosθ+i sinθ、λ₋=cosθ−i sinθ です。対応する単位固有ベクトルの一例は、λ₊に対し(1,−i)/√2、λ₋に対し(1,i)/√2です。複素ベクトルの長さには共役を用います。

逆行列

回転行列は直交行列なので R⁻¹=Rᵀ。すなわちR⁻¹=[[cosθ,sinθ],[−sinθ,cosθ]] です。回転をθ進めて−θ戻せば元に戻ります。

勉強するときのポイント

定係数・オイラー型を見分けられるか、非斉次項に合う特解の形を選べるか、回転行列の固有値を実数に限定していないかを確認しましょう。出題年度が実際に確認できた設問だけを扱い、他大学の問題も同じ方針で出典と年度を付して拡充します。